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判定日の前夜。

珍しくナナコがおとなしく自分の布団で寝てくれていたのに、私は目が冴えて全然眠れなかった。
もし、今回で無事に赤ちゃんが授かったら、ナナコとは3歳差になるのか。
会社の育児休暇が終わって第2子が保育園に入るときはナナコは4歳になるから、いっそのこと自分の親に近くに住んでもらって、ナナコは幼稚園に入れてみたらどうかしら?
とか、
もし、今回も残念な結果なら、夫とナナコと3人で雪のあるところの温泉に泊まりに行こう。
きっとナナコは雪を見てすごく喜ぶに違いない。
とか、いろいろな未来を想像した。

判定日の当日。

午前中からドキドキして、仕事に集中できなかった。
いろいろなことを考えすぎて頭が真っ白だった。
でも、お昼近くに部の会議があり、仕事のことを考えざるを得なくなって、少し我にかえった。
我にかえってからは少し精神的に落ち着いた。仕事もたまにはいいもんだ。
しかし、夕方、クリニックに着いて、採血のあと診察室に呼ばれるまでの40分間。
いつもなら雑誌を読んだり携帯をいじったりして時間を潰すのに、それをする気にならなかった。

あんなに赤ちゃんが出来ることを望んでいたのに、ふと、
「もし、赤ちゃんが出来ていたら、ナナコはどう思うんだろう?」
という考えが頭をよぎった。
私はずっとナナコに兄弟を作ってあげたかった。
私自身が一人っ子で、ずっと寂しい思いをしてきたからだ。
だけど、2歳になったナナコは今、私にべったりである。
絵本が大好きで、保育園に行く直前まで絵本を読めとせがむ。
字が読めないので、私が読む声を聞いて本の中のセリフや文章を暗記し、私が読むと一緒に声を出して読んでいる。
時々、大好きなぬいぐるみに覚えたセリフだけを読み聞かせている。
でも、2人目の子ができたらナナコに本をあまり読んであげられなくなるんだろうな。
ナナコはとても優しい。
おやつにおせんべいをあげても、必ず「はい、どーぞ」と半分は私や夫にくれる。
みかんを渡すと「むいてあげるね」とみかんをむいて、自分はあまり食べない。
兄弟がいてもこんなにおおらかなままでいてくれるのかな。
かといって、もしも赤ちゃんが来てくれなかったら、ナナコはもう少し大きくなって、周りの人に兄弟がいるのを見て自分も兄弟が欲しいと思うんじゃないかな。
でも、私に気を使って「妹が欲しい」なんて言わないかもしれないな。私自身が幼いながらに自分の親に兄弟が欲しいと口に出して言えなかったように。

診察室に呼ばれるまでの40分間は本当にいろいろな思いが頭をよぎった。
そして、変わるかもしれない未来と、変わらないかもしれない未来のどちらにも怯えた。
できれば、「今、お腹の中に赤ちゃんがいるかもしれない。」という希望を持ったままの、今のこの時間が永遠に続くと良いのに、と思った。
私の時間の全てをナナコにあげられる。でも、私には今、きっとお腹に次の命が宿っているのよ、と信じていられるこの時間が。

30分先の未来がくるのが怖かった。
判定結果を聞けば、陽性だろうが陰性だろうが未来が変わる。
でも、時間は容赦なく過ぎて、ありとあらゆる事象を刻々と変化させていくんだな、と思った。
だから、人は常に未来を選択しながら進むしかない。
どんな未来でも、何かを捨てて何かを手に入れているんだろう。
「赤ちゃんがほしい」という希望だけを持って突き進んできたけれど、今まで見えなかった物事の裏側を垣間見た気になってしまった。

結果は陰性で、全ての心配は杞憂に終わり、何も変わらなかった未来に本当にがっかりした。
やっぱり赤ちゃんがほしい。
でも、この先がどんな未来でもきっと、手に入れるものがあり、失うものもあるんだろう。
少なくとも、今の私にはナナコがいることで本当に本当に幸せ。
もし悪魔が現れて
「これから2人の赤ちゃんをさずけよう。代わりにナナコをもらっていく。」
という契約を提示されたら、もちろん、拒否である。ナナコを失ってまで次の子が欲しいわけではない。

そう考えると、不妊治療の結果だけにとらわれて生きている場合じゃない。
赤ちゃんがほしいと望みをもちつつ、毎日を淡々と、今のこの瞬間を大切にしていかないと、と思うのであった。


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BT6。

1日早い判定日を迎えてきた。
結果は、陰性だった。

β-hcg >Low

かすりもしなかった。
先生は、「全然ダメだったようです。」と慎重に言葉を選びながら言った。
「今回の卵は良い卵だったんですが・・・。このような場合、次回は2胚移植を試してみると良いかもしれませんね。双子になってしまう可能性もあるので、良い卵とあまりよくない卵と2つ組み合わせて。」と言った。
私には凍結卵があと1つしかない。
しかも、10回も採卵を試みてやっと出来た胚盤胞だ。
次の胚盤胞はいつ出来る事やら。

「次回はどうしますか。残り1つ凍結があるので、続けて移植することは出来ますが、今回薬を使っているので採卵だと50%の確率で空砲になります。1周期休んでからをお薦めします。でも、残りの50%に賭けて採卵を試みても結構です。」
と先生は聞いた。
私は、「では、ダメ元で採卵します。」と答えると、
「移植も行うつもりで、完全自然周期で採卵しますか。それとも、次回は採卵だけするつもりで薬(セロフェン)を使って採卵しますか。」と聞いた。

残り1個の卵。
いつ、どうやって、戻していくか、帰宅してからずっとずっと悩んでいる。
先生が薦める2胚移植だって、可能性が上がるのならば試してみたい。けど・・・。
選択肢によってはいつまで治療を続けるか、という命題に足を踏み入れるようで、答えが出ない。
夫は「戻しちゃえば?」と言った。
なんとなく私には「早く戻して終わりにしちゃえば?」と軽く言われたように感じて、少しムッとしてしまった。
終わりにするにしても、残りの1個を軽々しく考えないで・・・と思ったり。

次回、D3で通院するまでに決めないと。

BT2。

BT1の昨日は朝から体調が悪かった。
夜中の間からムカムカして気分が悪かった。当たり前だが、つわりではない。
寝不足で、身体がだるかった。

寝不足は昨日に始まったことではない。
毎晩、隣で寝ているナナコが私の布団に潜り込み、寝相の悪いナナコはさんざん私を蹴飛ばしたり私の上に乗っかったり、挙句の果てに自分で布団からはみ出しては、夜中にふとそれに気づいて「入~れ~て~」と再度私の布団に潜り込んでくるからだ。
しかしそれに加えて昨日は夫が、仕事が早番だと言って朝4時に起きて5時に出ていったため、4時から5時の間はちょくちょく目を覚ますこととなった。
この寝不足のせいなのか、それとも今飲んでいる黄体ホルモン補充のデュファストンの副作用なのか、はたまたその両方の相乗効果なのか、とにかく朝から調子が悪かったのだ。
仕事中もだるくて眠くて、まったく仕事にならなかった。

ナナコを保育園に迎えに行き、帰宅して大急ぎでご飯を作った。
作ると言っても前日に作ってあったハヤシライスを温め、味噌汁を作り、買ってきた出来合いのコロッケを温めただけだ。
これもいつものことだが、ナナコは帰宅してご飯が出来上がるまでの30分間、遊んでもらいたくてまとわりついてくる。
大急ぎで食卓に用意し、ナナコと一緒にご飯を食べるが、これまたいつものようにナナコは遊んでばかり。
テーブルをフォークで叩いたり、スプーンを舐めまわしてくわえてばかりいたり、立ち上がって部屋を見回しては「あれはなに?」「これはなに?」と聞いてくる。
この遊び食べに付き合っているとどんどん時間が過ぎていき、寝る時間が遅くなってしまう。
自分でご飯を食べようとせず、私がスプーンでご飯を口に運んでくれるのを待っている。
「いつも保育園で食べさせてもらってるの?」と聞くと「もらってるの」と答える。
ホントかよ、と思っていると「ゆうこ先生に食べさせてもらってるの」とまたナナコは言う。
ゆうこ先生は厳しい。
子供には優しいだろうけれど、保護者に対しては「○○ちゃんは自分でズボンを履こうとしないんです。おうちでちゃんと自分でやらせていますか?」なんて言う。
本当にゆうこ先生にいつも食べさせてもらってるのなら、来週の保育園の懇談会で間違いなく指摘されるだろうな。
そんなことを思った。

ここでも私は少しイライラしていたのだが、なんとか切り抜け、お風呂に入り、やっと寝るだけになった。
お風呂に入っている途中で夫が帰宅したが、寝るときになると自分は邪魔だろうから、と別の部屋に行ってしまった。

ナナコは絵本が大好きなので、いつまでもいつまでもなかなか寝ずに絵本を読んで、とせがむ。
夜は21時30分には寝かしつけたいのに昨日もその時間を過ぎても元気いっぱいだった。
私は早く寝たくて、「じゃぁ、これが最後だよ?これを読んだら寝ようね。」と絵本を読んで、読み終わると「おしまい」と言って電気をパチンと消した。
ナナコはしばらく大人しかったが急に「チッチ(オシッコ)」と言い出した。
それで仕方なくリビングに置いてあるおマルに連れていったが、電気がついてママが起きてくれたことに喜んでオシッコをなかなかしない。
やっと出たオシッコもちょびっとである。
なんだよ。オシッコしたかったわけじゃないじゃん!
でも、布団から抜け出したナナコはまた本棚から新しい絵本を取り出して「これ、これ読むの。」と大はしゃぎ。
勘弁してよ・・・と思いつつ仕方がないので「いい?これが最後だからね。これ読んだらネンネだよ。」と絵本を読んでパチンと電気を消した。
またしばらくナナコはおとなしくしていたが急に今度は「ウンチッチ(ウンチ)」と言い出した。
確かにその日は1回もしていなかったので、またもや電気をつけておマルに連れていった。
しかし、おマルに座ったナナコはぬいぐるみを抱きしめたりキスしたり、あれなに、これなに、と全く落ち着かず、挙句の果てに「出なかった」と言って立ち上がり、下半身スッポンポンのまままた絵本を取りに行った。
「ちょっと、ズボンくらい履こうよ」と捕まえるが、オムツを履くのもパジャマのズボンを履くのも全く協力せず、苦労して足を通しても足をばたばたして脱いでしまう。

だんだん、私の怒りが込み上げてきた。
「ちょっと、いい加減にしてよ。もう!」と言ってもお構いなしで、また絵本を持ってきた。
「ぐりとぐら」である。
ナナコが持っている本の中ではページ数も字も多いので、1分で読んでおしまいという訳にいかない。
既に22時を回っている。
「もう、ママは寝るからね。」と電気を消して寝たふりをしたが、「ママ、起きて、起きて」とペチペチと私を叩いていつまでもあきらめない。
私の怒りは爆発し、「じゃぁ、読むよ。読めばいいんでしょ。貸しなさい!」と、「ぐりとぐら」をナナコから乱暴に取り上げた。
ナナコはビックリして火がついたように泣き出し、本を返してあげても放り投げてしまった。
私は私で怒り心頭で、布団に潜って寝たふりをした。
でも、心の中で「違うのに!違うのに!笑って過ごすのに!こんなことしたいわけじゃないのに!」と思った。
きっと育児虐待に走る親ってこんな気持ちなんだろうな。
ナナコは泣き止まず、私は感情を理性で抑えきれず、ひたすら布団の中で丸くなった。

騒ぎを聞きつけてやっと、夫が2階の部屋から降りてきた。
そして、「じゃぁ、パパが読んであげるね。」と、「ぐりとぐら」を開き、ゆっくりと読み始めた。
そんなにゆっくり読んだら10分くらいかかっちゃうんじゃないの、と思うくらいゆっくり、時々、ナナコに自分の言葉で話しかけながら。
はじめは泣きじゃくっていたナナコも落ち着き、夫の読みがたりに応ずるようになり、やっと読み終わるとおとなしく眠ってしまった。
そして私自身、夫の絵本を読む声に癒されていった。

今朝起きると、いつものナナコだった。
私は今日、会社に着いてから昨日のことを何度も何度も思い返した。
寝るのが30分くらい遅くなったって、ナナコが気持ちよく眠りについてくれるならそれでいいじゃない。
ご飯を自分で食べようとせず、ママに食べさせてもらいたければ食べさせてあげればいいじゃない。
自分で靴を履けず、ママに履かせてもらいたければ履かせてあげればいいじゃない。
オシッコに行きたいわけでもないのにおマルに連れていくことないじゃない。

私、何をいらいらしていたんだろう。
ナナコはただただ、甘えたいだけ。
一緒に絵本を読んでもらいたいだけ。
今日は時間の許す限り絵本を読んであげよう、と思い、なるべく早く夕食の遊び食べを切り上げ、絵本を読む時間を多く作った。
ナナコは30分、絵本を読んだ後、こてっと寝てしまった。

D21(ピルで調整しているのでD20)

胚盤胞の移植を行なってきた。

10時に採血。
採血の結果
 E2:221
 P4:15.1

先生は
「ホルモンも良い値になっていますね。本日午後、移植しましょう。」
と言った。
ひとまずはホッとした。
でも、その後のナースの説明で、
「融解がうまくいかなくて移植できないこともありますことをご理解ください。」
と言われ、再び不安になった。
150マイクロと小さな胚盤胞は無事に融解できるのか??

12時までに昼食を済まし、12時30分までにクリニックに戻ってくるようにとのことだったので一旦外に出た。
でも、特に何をしたいわけでもなく、ランチに行きたいお店があるわけでもなく、結局、ナナコの長袖Tシャツを2枚買ったあとは早めにお昼を食べることにした。
しかし、これまた11時30分からオープンのお店が多く、しかたなくオーパの裏の陳麻家でランチの豚バラ定食を食べた後は本屋でぶらぶらと絵本を眺めて時間をつぶした。

12時20分にクリニックに戻ると、培養士さんから凍結胚の説明があった。
凍結時間は123時間。受精卵の周りにある透明体を取るアシステッドハッチングを行なったとのこと。
グレードは?と聞くと、グレードは1~3の3段階あり、1が一番良い。今回の受精卵はグレード3です。と言ったあと、「でも、85%くらいの人がグレード3ですからね。気にしなくて良いです。見た目よりも凍結に至るまでの時間のほうが重要なんです。今回の卵は早く凍結していますからね。大丈夫ですよ。」と言った。

ひとまずは
「融解した結果、元に戻りませんでした。」
なんて言葉が出てこなかっただけ良かった。

13時過ぎにすぐに移植になった。
小さな小さな、豆粒よりも小さな私の赤ちゃんが、お腹の中に戻ってきた。
今、これを書いている瞬間、まだ生きていてくれているだろうか。

判定日は1週間後だが、ちょうど1週間後は火曜日でクリニックが午前中しかあいていないため、6日後の1月16日の夕方に判定日としてもらった。
これからは、ナナコが遊び食べしても、朝いつまでもグズグズしていても、なるべく怒らずに笑って過ごさないと。(ムズカシイ・・)

ちなみに今回移植した受精卵の状態は、
115-123-0-15-3
とのこと。
つまり、
胚盤胞に至るまでの時間:115Hr
凍結までの時間:123Hr
アシストハッチング:無し(本当は有りなので"1"なのか?)
大きさ:150マイクロ。
グレード:3

無事に元気な赤ちゃんになってこの世に生まれてきますように。

D16(ピルで調整しているのでD15)

採卵前の超音波画像に、昨日の卵胞は映らなかった。
「右の大きな卵胞は排卵済みですね。左に2番目に大きな卵胞がありますが、採りますか?」
と先生はお世辞にも大きいとは言い難い小さな卵胞を映し出した。
E2も1つ分しか出ていなかったし、ダメだろうな、と思ったが、せっかくここまで準備して来たのだから、と思い採卵してもらった。
でも、結果は空砲だった。
完全自然周期の難しさを改めて知った。

本日の採卵は私一人。
私だけの為に先生もスタッフも朝早く来たのかな。
私だけの為に待合室に音楽が流れているのかな。

卵は採れなかったけど、新年早々、私はまた全力で頑張ったよ。
出社前に美味しいコーヒーでも飲んで行こう。

プロフィール

kuromamma

Author:kuromamma
38歳で初期流産。
40歳で妊娠&女の子出産。
不妊治療の末、43歳でやっと男の子を授かりました。

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